Kinotayo 17e festival du cinéma japonais contemporain

戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)

© 2015 DOCUMENTARY JAPAN, TOFOO FILMS, MIKAMI Chie

出演:
製作: 2015 | 本編: 130分 | ジャンル: ドキュメンタリー | 日本語音声・フランス語字幕

作品概要

沖縄・辺野古の海を舞台に米軍基地新設に反対する人々の闘いを追うドキュメンタリー。監督は同じく沖縄の米軍基地問題を取材した『標的の村』(2013)がロングランヒットとなり、キネマ旬報ベストテン文化映画部門第1位にも選ばれた三上智恵。戦後70年を経た今もなお戦場(いくさば)であり続ける沖縄の苦難の歴史と現在の人々の姿を伝える。

日本国内の米軍基地・専用施設の74%が密集する沖縄県で、辺野古の海を埋め立てて新たに米軍基地が作られようとしている。2014年の沖縄県知事選では政党の枠を超え新基地建設反対の翁長雄志氏が圧勝するが、政府の建設方針は変わらない。工事を止めようと市民が座り込みを続け、沖縄戦を生き延びた85歳の文子おばあは「私を轢き殺してから行きなさい」と工事トラックの前に身を投げ出す。
基地と折り合って生きる住民の思いや沖縄の豊かな文化と暮らしも映し出しながら、いくさに翻弄され続けた70年に終止符を打ちたいという沖縄の切なる願いを今、世界に問う。

三上智恵

1964年東京都出身。父の仕事の関係で12歳から沖縄に通い、成城大学で沖縄民俗を専攻。1987年、アナウンサーとして毎日放送に入社。1995年、琉球朝日放送の開局時に沖縄に移住。同局のニュース番組のメインキャスターを務めながら、沖縄の文化、自然、社会をテーマに多くのドキュメンタリー番組を制作。2010年、日本女性放送者懇談会 放送ウーマン賞を受賞。

TVドキュメンタリー『標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』(2012)がギャラクシー賞テレビ部門優秀賞等を受賞し、劇場用に再編集した『標的の村』(2013)がキネマ旬報ベストテン文化映画部門第1位、山形国際ドキュメンタリー映画祭で日本映画監督協会賞・市民賞をダブル受賞した。
2014年に琉球朝日放送を退職し、現在はフリーのジャーナリスト、映画監督として活動するほか、沖縄国際大学で非常勤講師として沖縄民俗学を講じる。著作に『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』がある。